Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 176.911 caratteri · 353 schermate
はて。――と、いぶかるまもなく、森武蔵の使番、加賀見兵庫が、駈け上がって来て、
「不覚なござりますぞッ。――尾けられましたッ」
と、どなって、床几のまえへ、仆れるように、平伏した。
さッ――と、鉄かぶとをも吹きぬけるような冷感が、勝入以下、周囲の武者たちの頭をかすめた。
「兵庫。尾けられたとは?」
「秀次様の第四隊へ、夜来、追いしたって来たらしき敵勢が」
「や。うしろへか」
「ふいに、しかも両がかりの車輪陣をとって」
「ちいッ。ぬかったか」
勝入が、突ッ立ったときである。さらに、聟の武蔵守から、第二報の使番が来た。
「――御猶予はなりませぬ。秀次様の御人数、総くずれと、聞えてまいりました」
物々しい動揺めきが、六坊山のいただきに沸き、つづいて、号令、叱咤、武具の音となって、山下の道へながれ出した。
その渦が、陣列をなさないうちに、さきに堀久太郎へ伝令して、久太郎秀政から、使番でもない者が何しに来た――といわれて去った田中久兵衛吉政が、
「一大事一大事」
と、告げ渡って、ここへも飛んで来た。
かれの報は、より詳細だ。しかもみじめにまで殲滅をうけた秀次隊の運命に、いまは疑う余地もない。