Classici giapponesi con furigana
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
Leggi 新書太閤記 (しんしょたいこうき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 187.757 caratteri · 375 schermate
「たわけたことを」
と、一笑して、
「玄蕃、これしきの勝ちに、酔うてはおらぬ」
「……が、お館には、御発向の前、特に御訓戒のあったことでもあり――中入りは退きの切レこそ大事、一勝を捷ち獲た上は、敵中に長居はくれぐれ無用――と、今日も繰り返され、きっと、殿へその旨を伝えよとの仰せにござりました」
「すぐ引揚げよ、とか」
「疾く退いて、後方の味方に合せよとのおことばです」
「はて、腰弱な」
微かな嘲笑すら見せて、玄蕃允は、強く口のうちでいった。
「まあ、よい」
ところへ、偵察隊の一報がまた入った。丹羽長秀の三千が桑山隊に加勢し、共に賤ヶ嶽へ拠って、防備を固め直しているというのである。――これは、賤ヶ嶽の攻略を、独り明朝に期していた玄蕃允には、さらに、火へ油を注ぐものとなった。猛将の猛気は、かかるとき、いやが上にも旺んなる戦意に駆られるばかりだった。
「おもしろい」
玄蕃允は、陣幕を払って、外へ出て、南の方二里余、青嵐眉にせまる賤ヶ嶽を見た。
――と、麓から登って来る一将があった。従者数名を連れている。そしてその案内に、木戸の守将が先に立ち、これへ急いで来るのが見えた。