Classici giapponesi con furigana
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しんのあいこくしん
新渡戸稲造論集
新渡戸 稲造
Leggi 新渡戸稲造論集 (しんのあいこくしん) di 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.620 caratteri · 196 schermate
しかしながら、腹に確乎たる覚悟と信念とさえあるならば、さほどびくつくにも及ばない。ただし、考えてみれば、私などの主張するところは、存外穏やかなものである。一つの主義に固持して終世世に容れられなかった人もあり、あるいはソクラテスの如く刑罰に処せられたり、あるいは、大塩平八郎の如く、世に反抗して反叛を起したりするのに比べては、私は気の弱い所以でもあろうか、甚だしく穏やかである。思った事を実行するといっても、故意に社会の原則を無視したり、折角生立って来た習慣を、無闇と破壊するというほどの意気込はない。また一面には、自分の所信にしてもし俗情に全然かなわない時に於ては、私は出来るだけ譲って、主張を枉げることもする。そして、最後に、これ以上は譲られないというところまでは、自分の力を保留しておく考えである。
それはとにかく、ソクラテスの偉大なるところは、徹頭徹尾、思い切って所信を披瀝した、その無遠慮な点に存する事を否み難い。もしソクラテスにして、何彼と斟酌ばかりして、思う事も遠慮していわなかったとするならば、世界はまあどれほどの大損失であったことだろう。プラトーの花も咲き損い、アリストートルの実もまた結び損ったに違いない。