Classici giapponesi con furigana
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ふたりのとも
新潮日本文学1 森鴎外集
Leggi 新潮日本文学1 森鴎外集 (ふたりのとも) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.954 caratteri · 29 schermate
暫く立って、F君は第一高等学校に聘せられたが、矢張同じ下宿にいて、そこから程近い学校に通うので、君と安国寺さんとの関係は故のままであった。
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私が東京に帰ってから、桜が咲き桜が散って、気候は暖いと云う間もなく暑くなった。二階に登って向いの下宿屋を見れば、そこでも二階の戸を開け放っている。間数が多いので、F君や安国寺さんのいる部屋は見えない。見えるのは若い女学生のいる部屋である。
欄干に赤い襟裏の附いた著物や葡萄茶の袴が曝してあることがある。赤い袖の肌襦袢がしどけなく投げ掛けてあることもある。この衣類の主が夕方には、はでな湯帷子を著て、縁端で凉んでいる。外から帰って著物を脱ぎ更えるのを不意に見て、こっちで顔を背けることもある。私はいつとなくこの女の顔を見覚えたが、名を聞く折もなく、どこの学校に通うと云うことを知る縁もなかった。女は美しくもなく、醜くもなく、何一つ際立って人の目を惹くことのない人であった。
向いの家の下宿人は度々入り替ると見えて、見知った人がいなくなり、新しい人が見えるのに気の附くことがあった。しかしF君と安国寺さんとは外へ遷らずにいた。