Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate

Aozora Bunko

「もう当分御飯を食べる事を休業しようかと思っていますのよ。」

私は固く扉を閉ざしてかぎをかけた。少しばかり腹を満たしたいために、不用な渦を吸いたくなかった。頭の頂天まで飢えて来ると鉄板のように体がパンパン鳴っているようで、すばらしい手紙が書きたくなってくる。だが、私はやっぱり食べたいのです。ああ私が生きてゆくには、カフエーの女給とか女中だなんて! 十本の指から血がほとばしって出そうなこの肌寒さ……さあカクメイでも何でも持って来い。ジャンダークなんて吹っ飛ばしてしまおう。だがとにかく、何もかもからっぽなのだ。階下の人達が風呂へ行ってる隙に味噌汁を盗んで飲む。神よ嗤い給え。あざけり給えかし。

あああさましや芙美子消えてしまえである。

働いていても、自分には爪の垢ほども食べるたしにはならないなんて、今までの生活むきは、細く長くだった。ああ一円の金で私は五日も六日も食べていった事があった。死ぬる事なんていつも大切に取っておいたのだけれど、明日にも自殺しようかと考えると、私はありったけのぼろ屑を出して部屋にばらまいてやった。生きている間の私の体臭、なつかしやいとしや。