Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

Leggi 新版 放浪記 (しんぱん ほうろうき) di 林 芙美子 (はやしふみこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 247.330 caratteri · 497 schermate

Aozora Bunko

ああこんなに面白い生き方もあったのかと、私は固いクッションの上に坐りなおすと、飽きる事もなく、なつかしくいじらしい自分の百面相に凝視ってしまった。

*

(五月×日)

私はお釈迦様に恋をしました

仄かに冷たい唇に接吻すれば

おおもったいない程の

痺れ心になりまする。

もったいなさに

なだらかな血潮が

逆流しまする。

心憎いまでに落ちつきはらった

その男振りに

すっかり私の魂はつられてしまいました。

お釈迦様!

あんまりつれないではござりませぬか

蜂の巣のようにこわれた

私の心臓の中に

お釈迦様

ナムアミダブツの無常を悟すのが

能でもありますまいに

その男振りで

炎のような私の胸に

飛びこんで下さりませ

俗世に汚れた

この女の首を

死ぬ程抱きしめて下さりませ

ナムアミダブツのお釈迦様!

妙に侘しい日だ。気の狂いそうな日だ。天気のせいかも知れない。朝から、降りどおしだった雨が、夜になると風をまじえて、身も心も、突きさしそうに実によく降っている。こんな詩を書いて、壁に張りつけてみたものの私の心はすこしも愉しくはない。

――スグコイカネイルカ

蒼ぶくれのした電報用紙が、ヒラヒラと私の頭に浮かんで来るのは妙だ。