Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

Leggi 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) di 内田 魯庵 (うちだろあん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.401 caratteri · 427 schermate

Aozora Bunko

といった。

すると鴎外は大喝して、「モウ十二時とは何だ、マダ十二時とナゼいわん、」と叱りつけた。私は気の毒になって徐に起ち掛けようとすると、「マダ早いよ、僕の処は夜るが昼だからね。眠くなったらソコの押入から夜具を引摺出してゴロ寝をするさ。賀古なぞは十二時が打たんけりゃ来ないよ、」といった。

賀古翁は鴎外とは竹馬の友で、葬儀の時に委員長となった特別の間柄だから格別だが、なるほど十二時を打ってからノソノソやって来られたのに数回邂逅った。

こんな塩梅で、その頃鴎外の処へ出掛けたのは大抵九時から十時、帰るのは早くて一時、随分二時三時の真夜中に帰る事も珍らしくなかった。私ばかりじゃなかった、昼は役所へ出勤する人だったからでもあろうか、鴎外の訪客は大抵夜るで、夜るの千朶山房は品詩論画の盛んなる弁難に更けて行った。

鴎外は睡眠時間の極めて少ない人で、五十年来の親友の賀古翁の咄でも四時間以上寝た事はないそうだ。少年時代からの親交であって度々鴎外の家に泊った事のある某氏の咄でも、イツ寝るのかイツ起きるのか解らなかったそうだ。

鴎外の花園町の家の傍に私の知人が住んでいて、自分の書斎と相面する鴎外の書斎の裏窓に射す燈火の消えるまで競争して勉強するツモリで毎晩夜を更かした。