Classici giapponesi con furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Leggi 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) di 内田 魯庵 (うちだろあん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.401 caratteri · 427 schermate
家で、今でも子孫が無商売でこの裏に住んでるそうだ。この路次裏の井戸が即ち馬琴の硯の水で、文芸の理解のない官憲も馬琴の名だけは知っていたと見えて、数年前から東京史蹟の高札が建てられた。王侯将相よりも文豪の尊敬される欧羅巴なら疾くに日本の名蹟とし東京の名誉とし将た飯田町の誇りとして手厚く保管し、金石に勒して永久に記念されべきはずであるが、戦場で拾って来た砲弾の記念碑を建てる事を知っていても学者や文人の墓石は平気で破壊するを少しも怪まない日本では、縦令高札を建てても何時この貴い古井戸を埋めてしまわないとは限らない。が、この古井戸がどうなろうとも、この中坂はグレート馬琴が半生を暮した故居の地として永久に記念されべき史蹟である。
不思議にもこの中坂は文豪馬琴の史蹟であると共にまた、明治の文学史に一エポックを作った硯友社の発祥地でもある。
中坂上の南側に秀光舎という印刷所がある。この秀光舎の前身は同益出版社といって、今から四十年前に小説復刻の元祖たる南伝馬町の稗史出版社に続いて馬琴の『俊寛僧都島物語』や風来の『六々部集』を覆刻したので読書界に知られた印刷所であった。