Classici giapponesi con furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Leggi 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) di 内田 魯庵 (うちだろあん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.401 caratteri · 427 schermate
その頃江戸川畔に住んでいた私は偶然川畔を散策いていると、流れを下りて来る川舟に犢鼻褌一つで元気に棹をさしてるのが眉山で、吉原通いの山谷堀でも下る了簡で、胡座をかきつつ好い気持になってるのが中村花痩であった。
眉山は三月越しの旅で顔の色が煤けて日に焼けていたが、真白な長身は汗ばんで赤味を帯び、棹は上手か下手か知らぬが流れに従って下りるんだから楽々として如何にも威勢が好く、とても旅路に放浪して今帰ったばかりの家なき人とは思われなかった。その艶気のある勇肌がトンと国貞あたりの錦絵にありそうであった。眉山の容貌、風采、及び生活は洋画は勿論院派の日本画にもならないので、五渡亭国貞あたりの錦絵から抜け出したようだった。
「や、乗らないか、」と眉山は私を見るなり声を掛けた。
「僕ン許へ来い、美味いものを喰わせるぞ。」
「今行くよ、直ぐ行くよ、」といいながら元気に舟を流して行った。
私の家は川畔の直ぐ近所だったから、帰って待つ間もなく、眉山と花痩とは威勢よくやって来た。眉山はその時新小川町の花痩の家に泊っていたのだ。
中村花痩もまた硯友社の一人だった。最も遅れて加盟したが、伯父さんが俳諧の宗匠だったので俳句には相当に苦労し、俳人としては社中の指折であった。