Classici giapponesi con furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Leggi 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) di 内田 魯庵 (うちだろあん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.401 caratteri · 427 schermate
この交渉は相互の事情でそれぎりとなったが、緑雨と私との関係はそれが縁となって一時はかなり深く交際した。
尤も私は飲んだり喰ったりして遊ぶ事が以前から嫌いだったから、緑雨に限らず誰との交際にも自ずから限度があったが、当時緑雨は『国会新聞』廃刊後は定った用事のない人だったし、私もまた始終ブラブラしていたから、懶惰という事がお互いの共通点となって、私の方からは遠い本所くんだりに余り足が向かなかったが、緑雨は度々やって来た。来れば必ず一日遊んでいた。時としては朝早くから私の寝込を襲うて午飯も晩飯も下宿屋の不味いものを喰って夜る十一時十二時近くまで話し込んだ事もあった。
その時分即ち本所時代の緑雨はなかなか紳士であった。貧乏咄をして小遣銭にも困るような泣言を能くいっていても、いつでもゾロリとした常綺羅で、困ってるような気振は少しもなかった。が、家を尋ねると、藤堂伯爵の小さな長屋に親の厄介となってる部屋住で、自分の書斎らしい室さえもなかった。緑雨のお父さんというは今の藤堂伯の先々代で絢尭斎の名で通ってる殿様の准侍医であった。この絢尭斎というは文雅風流を以て聞えた著名の殿様であったが、頗る頑固な旧弊人で、洋医の薬が大嫌いで毎日持薬に漢方薬を用いていた。