Classici giapponesi con furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Leggi 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) di 内田 魯庵 (うちだろあん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.401 caratteri · 427 schermate
て堪えられなかった。
然るにまた一方には物質上の逼迫がヒシヒシと日に益々加わって来た。尤もその頃二葉亭はマダ部屋住であって、一家の事情は二葉亭の自活または扶養を要求するほど切迫しているとは岡目には見えなかった。左に右く土蔵附きの持家に住っていた。シカモ余り広くはなかったが、木口を選んだシッカリした普請で、家財道具も小奇麗に整然と行届いていた。親子三人ぎりの家族で、誰が目にも窮しているどころか、むしろ気楽そうに見えていた。が、その頃の――恐らくは今でも――惣ての人の親は、家に資産があると否とを問わず一家の運命希望を我が子の立身出世に繋いでるから、滞りなく無事に学校を卒業してドコへか就職してくれなければ安心もし満足もしなかった。折角卒業の間際まで漕付けながら袴を脱ぐ如く暢気に学校を罷めてしまい、シカモ罷めてしまって後に何をする見当もなく、何にもしないで懐手をしてブラブラ遊んでいると外思われない二葉亭の態度や心持を慊らなく思うは普通の人の親としての当然の人情であった。昔の士族気質から唯一の登龍門と信ずる官吏となるのを嫌って、碌でもない小説三昧に耽るは昔者の両親の目から見れば苦々しくて黙っていられなかった。