Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

Leggi 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) di 内田 魯庵 (うちだろあん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.401 caratteri · 427 schermate

Aozora Bunko

かつ加うるに夫婦の間が始終折合わないで、沈黙の衝突が度々繰返された。その間の紛糾んだ事情は余り深く立入る必要はないが、左に右く夫妻の身分教養が著るしく懸隔して、互に相理解し相融合するには余りに距離があり過ぎたのが原因であった。公平に見たなら二葉亭の方が暴君で、細君の方は極めて柔順な奴隷であったろうが、夫婦の間が暴君と奴隷との関係では互に満足出来るはずがないから、あたかも利刃を揮って泥土を斬るに等しい何らの手答えのない葛藤を何年か続けた後に、二葉亭は終に力負け根負けがして草臥れてしまった。二葉亭のためにも勿論不幸であったが、細君の方にも同情すべき気の毒な事情があった。とうとう最後が破縁となって、善後の処分をするために二葉亭は金を作らねばならなくなった。

その時分、文壇の機運はいよいよ益々爛熟し、紅露は相対塁して互に覇を称し、鴎外は千朶山房に群賢を集めて獅子吼し、逍遥は門下の才俊を率いて早稲田に威武を張り、樗牛は新たに起って旗幟を振い、四方の英才俊髦一時に崛起して雄を競うていた。二葉亭は『浮雲』以後全く韜晦してこの文壇の気運を白眼冷視し、一時莫逆を結んだ逍遥とも音信を絶していたが、丁度その頃より少し以前、逍遥と二葉亭とは偶然私の家で邂逅して久闊を叙し、それから再び往来するようになっていた。