Classici giapponesi con furigana
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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
Leggi 新編 思い出す人々 (ふたばていよだん) di 内田 魯庵 (うちだろあん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 215.401 caratteri · 427 schermate
『其面影』を発表するに先だちて二葉亭は新作の題名について相談して来た。「二つ心」とか「心くずし」とか「新紋形二つ心」とかいうような人情本臭い題名であって、シカモこの題名の上に二ツ巴の紋を置くとか、あるいは「破れウィオリノ」という題名として絃の切れたウィオリンの画の上に題名を書くというような鼻持ならない黴臭い案だったから、即時にドレもこれも都々逸文学の語であると遠慮なく貶しつけてやった。かれこれ往復二、三回もした、最後に『其面影』でモウ我慢してくれといって来た。この相談を受けた時、二葉亭の頭の隅ッコにマダ三馬か春水の血が残ってるんじゃないかと、内心成功を危ぶまずにはいられなかった。
いよいよ『其面影』が現れて、回一回と重ぬるに従って益々この懸念が濃くなった。『其面影』の妙処というは二十年前の『浮雲』で味わされたものよりもヨリ以上何物をも加えなかった。加之ならず『浮雲』の若々しさに引換えて極めて老熟して来ただけそれだけ或る一種の臭みを帯びていた。言換えると『浮雲』の描写は直線的に極めて鋭どく、色彩や情趣に欠けている代りには露西亜の作風の新らしい匂いがあった。