Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

Leggi 新編 近代美人伝 (上) (めいじびじんでん) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 129.076 caratteri · 256 schermate

Aozora Bunko

そして凋落をまぬがれなかった。被うものがなければ日の目はあからさまである。冷たい霜も降る、しぐれもわびしく降りかかる。木枯も用捨なく吹きつける。さしもに豪華をうたわれた岩下氏もある事件に蹉跌して囹圄につながれる運命となった。名物お鯉も世の憂きをしみじみとさとらなければならなくなった。

五万円の遺産分配――それは名のみ、お鯉のために分けられたというよりは、公爵の遺児で、表面夫人の手には引きとられぬきわに出来た、泰三、正子、の六歳と九歳になる子たちを、引取って育てていたからのことであった。お鯉はそのために切髪とならなければならず、思いもかけぬ子に母とよばれなければならぬことになった。そうした考慮が、お鯉自身から生れようか、生れるはずがないのである。

柳橋に、一藤井という、芸妓を多勢抱えている家があった。そこの、あんまり名も知れない抱え芸妓のひとりが、どうしたことか桂公のおとしだねだということが知れた。そんな始末もお鯉がするようになった。妹ともよんでよい年頃の女に母と呼ばれて、お鯉はどんな気がしたであろう。その女をともかく一角の令嬢仕立にするまでお鯉の手許においた、そして嫁入りをさせて安心したといった。