Classici giapponesi con furigana
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いちかわくめはち
新編 近代美人伝 (下)
長谷川 時雨
Leggi 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.172 caratteri · 277 schermate
のなかの、明石の上に似ているので――気質もそうであれば、箏の名手でありながら、我から聴かそうとは決してしない。それに、容貌も立ちまさっているのではないが、人柄が立ちまさって見える点など、私は、彼女にそんな事をいったこともある。彼女もその評は、嬉しくないこともなかったのだ。そしてまた、彼女の趣味も、その精神は、王朝時代のものであった。私は、もちっと古く遡って、もっとずっと、今日よりも新らしくと言うので、ともするとくいちがうのだが、「朱絃」は、ともかく納まった。彼女の門下はみな、朱絃――朱い絃の十三絃をもちいることにした。
覚悟はよいか? そんなことばではないが、私は時おり、もはや、後退してはならないと、生活に余裕のありすぎる彼女に、回避的になりがちな用心癖を警戒した。が、それほど熾烈に、芸術的良心をもたぬ人々の間には、彼女が軌道に乗って、乗りだしてゆくのが不安にもなった。古い側の人の悦びは、困らない奥さんの芸であって、名人だとされればそれだけでよいというようなところもあった。また、あまり彼女を惜みすぎて、名物茶入れのように箱に入れて、あんまり人目に触れさせないのを、もっとも高貴であると考えるものも出来てきた。