Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いちかわくめはち

新編 近代美人伝 (下)

長谷川 時雨

Leggi 新編 近代美人伝 (下) (いちかわくめはち) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 138.172 caratteri · 277 schermate

Aozora Bunko

恋とはそうしたものか、そんな中でも、美妙へは消息していた。手紙では人目が煩さいので、書籍の行間に、切ない思いを書き入れては送った。

秋の早いみちのくに、九月の風がサッと吹きおろすと、ホロホロッと白露は乱れ散った。それを見ていた錦子の、張り切っていた気持ちに崩れが来て、白い粉の薬を飲んだのが廿三の彼女の一期の終りだった。花をさして、机の上に一本の線香をくゆらして――

私は、今日耳にしたのだが、その時、錦子を絶息から甦えらせて、四、五日保たせたのは、錦子の許婚の人で、それから、その医師は、はやったということだ。

この、明治二十九年には稲舟をさきに、一葉も散り、若松賤子も死んでいる。生前、さほどいじめなくてもよかった稲舟への同情は、再び美妙へのモラル問題となった。それは直に、日本橋の妓を正妻にしたからかも知れない。

今は、七十を越して、比丘尼のように剃髪している石井とめ女を、途中で見かけたという便りを叔父からもらったが、この章を終るまでに探ね出せなかったので、錦子との交錯は不明だ。