Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぎんがてつどうのよる

新編 銀河鉄道の夜

宮沢 賢治

Leggi 新編 銀河鉄道の夜 (ぎんがてつどうのよる) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 135.030 caratteri · 274 schermate

Aozora Bunko

いちばん小さいひなげしが、ひとりでこそこそ云いました。

「ああつまらないつまらない、もう一生合唱手だわ。いちど女王にしてくれたら、あしたは死んでもいいんだけど。」

となりの黒斑のはいった花がすぐ引きとって云いました。

「それはもちろんあたしもそうよ。だってスターにならなくたってどうせあしたは死ぬんだわ。」

「あら、いくらスターでなくってもあなたの位立派ならもうそれだけで沢山だわ。」

「うそうそ。とてもつまんない。そりゃあたしいくらかあなたよりあたしの方がいいわねえ。わたしもやっぱりそう思ってよ。けどテクラさんどうでしょう。まるで及びもつかないわ。青いチョッキの虻さんでも黄のだんだらの蜂めまでみなまっさきにあっちへ行くわ。」

向うの葵の花壇から悪魔が小さな蛙にばけて、ベートーベンの着たような青いフロックコートを羽織りそれに新月よりもけだかいばら娘に仕立てた自分の弟子の手を引いて、大変あわてた風をしてやって来たのです。

「や、道をまちがえたかな。それとも地図が違ってるか。失敗。失敗。はて、一寸聞いて見よう。もしもし、美容術のうちはどっちでしたかね。」

ひなげしはあんまり立派なばらの娘を見、又美容術と聞いたので、みんなドキッとしましたが、誰もはずかしがって返事をしませんでした。