Classici giapponesi con furigana
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とりをとるやなぎ
新編 風の又三郎
Leggi 新編 風の又三郎 (とりをとるやなぎ) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.750 caratteri · 49 schermate
空が曇っていましたので水は灰いろに見えそれに大へんつめたかったので、私たちはあまのじゃくのような何とも云えない寂しい心持がしました。
だんだん溯って、とうとうさっき青いくしゃくしゃの球のように見えたいちばんはずれの楊の木の前まで来ましたがやっぱり野原はひっそりして音もなかったのです。
「この木だろうか。さっぱり鳥が居ないからわからないねえ。」
私が云いましたら慶次郎も心配そうに向うの方からずうっとならんでいる木を一本ずつ見ていました。
野原には風がなかったのですが空には吹いていたと見えてぎらぎら光る灰いろの雲が、所々鼠いろの縞になってどんどん北の方へ流れていました。
「鳥が来なくちゃわからないねえ。」慶次郎が又云いました。
「うん、鷹か何か来るといいねえ。木の上を飛んでいて、きっとよろよろしてしまうと僕はおもうよ。」
「きまってらあ、殺生石だってそうだそうだよ。」
「きっと鳥はくちばしを引かれるんだね。」
「そうさ。くちばしならきっと磁石にかかるよ。」
「楊の木に磁石があるのだろうか。」
「磁石だ。」
風がどうっとやって来ました。するといままで青かった楊の木が、俄かにさっと灰いろになり、その葉はみんなブリキでできているように変ってしまいました。