Classici giapponesi con furigana
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かえるのゴムぐつ
新編風の又三郎
Leggi 新編風の又三郎 (かえるのゴムぐつ) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.031 caratteri · 84 schermate
けれども虔十のおっかさんもおとうさんも仲々そんなことを虔十に云いつけようとはしませんでした。
さて、虔十の家のうしろに丁度大きな運動場ぐらいの野原がまだ畑にならないで残っていました。
ある年、山がまだ雪でまっ白く野原には新らしい草も芽を出さない時、虔十はいきなり田打ちをしていた家の人達の前に走って来て云いました。
「お母、おらさ杉苗七百本、買って呉ろ。」
虔十のおっかさんはきらきらの三本鍬を動かすのをやめてじっと虔十の顔を見て云いました。
「杉苗七百ど、どごさ植ぇらぃ。」
「家のうしろの野原さ。」
そのとき虔十の兄さんが云いました。
「虔十、あそごは杉植ぇでも成長らなぃ処だ。それより少し田でも打って助けろ。」
虔十はきまり悪そうにもじもじして下を向いてしまいました。
すると虔十のお父さんが向うで汗を拭きながらからだを延ばして
「買ってやれ、買ってやれ。虔十ぁ今まで何一つだて頼んだごとぁ無ぃがったもの。買ってやれ。」と云いましたので虔十のお母さんも安心したように笑いました。
虔十はまるでよろこんですぐにまっすぐに家の方へ走りました。
そして納屋から唐鍬を持ち出してぽくりぽくりと芝を起して杉苗を植える穴を掘りはじめました。