Classici giapponesi con furigana
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かえるのゴムぐつ
新編風の又三郎
Leggi 新編風の又三郎 (かえるのゴムぐつ) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.031 caratteri · 84 schermate
牛のようなものが頭だか足だか一寸出しているだけです。嘉ッコは街道を横ぎって、山の畑の方へ走りました。お母さんたちもあとから来ます。けれども、この路ならば、お母さんよりおばあさんより、嘉ッコの方がよく知っているのでした。路のまん中に一寸顔を出している円いあばたの石ころさえも、嘉ッコはちゃんと知っているのでした。厭きる位知っているのでした。
嘉ッコは林にはいりました。松の木や楢の木が、つんつんと光のそらに立っています。
林を通り抜けると、そこが嘉ッコの家の豆畑でした。
豆ばたけは、今はもう、茶色の豆の木でぎっしりです。
豆はみな厚い茶色の外套を着て、百列にも二百列にもなって、サッサッと歩いている兵隊のようです。
お日さまはそらのうすぐもにはいり、向うの方のすすきの野原がうすく光っています。
黒い鳥がその空の青じろいはてを、ななめにかけて行きました。
お母さんたちがやっと林から出て来ました。それから向うの畑のへりを、もう二人の人が光ってこっちへやって参ります。一人は大きく一人は黒くて小さいのでした。
それはたしかに、隣りの善コと、そのお母さんとにちがいありません。