Classici giapponesi con furigana
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かえるのゴムぐつ
新編風の又三郎
Leggi 新編風の又三郎 (かえるのゴムぐつ) di Miyazawa Kenji (宮沢 賢治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 41.031 caratteri · 84 schermate
「僕なんかはどうかなあ。」ベン蛙が云いました。
「あるいは僕なんかもいいかもしれないな。」ブン蛙が云いました。
ところがカン蛙は一言も物を云わずに、すっすっとそこらを歩いていたばかりです。
「あら、あたしもうきめたわ。」
「誰にさ?」二疋は眼をぱちぱちさせました。
カン蛙はまだすっすっと歩いています。
「あの方だわ。」娘の蛙は左手で顔をかくして右手の指をひろげてカン蛙を指しました。
「おいカン君、お嬢さんがきみにきめたとさ。」
「何をさ?」
カン蛙はけろんとした顔つきをしてこっちを向きました。
「お嬢さんがおまえさんを連れて行くとさ。」
カン蛙は急いでこっちへ来ました。
「お嬢さん今晩は、僕に何か用があるんですか。なるほど、そうですか。よろしい。承知しました。それで日はいつにしましょう。式の日は。」
「八月二日がいいわ。」
「それがいいです。」カン蛙はすまして空を向きました。
そこでは雲の峯がいままたペネタ形になって流れています。
「そんならあたしうちへ帰ってみんなにそう云うわ。」
「ええ、」
「さよなら」
「さよならね。」
ベン蛙とブン蛙はぶりぶり怒って、いきなりくるりとうしろを向いて帰ってしまいました。