Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

しんしゃくしょこくばなし

新釈諸国噺

太宰 治

Leggi 新釈諸国噺 (しんしゃくしょこくばなし) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 93.562 caratteri · 179 schermate

Aozora Bunko

」

「はい。」と答えて澄んだ眼で父の顔を仰ぎ見ている。家中随一の美童である。

「流れに飛び込んで死んでおくれ。丹三郎はわしの苦労の甲斐も無く、横浪をかぶって鞍がくつがえり流れに呑まれて死にました。そもそもあの丹三郎儀は、かの親の丹後どのより預り来れる義理のある子です。丹三郎ひとりが溺れ死んで、お前が助かったとあれば、丹後どのの手前、この式部の武士の一分が立ちがたい。ここを聞きわけておくれ。時刻をうつさずいますぐ川に飛び込み死んでおくれ。」と面を剛くして言い切れば、勝太郎さすがは武士の子、あ、と答えて少しもためらうところなく、立つ川浪に身を躍らせて相果てた。

式部うつむき涙を流し、まことに武家の義理ほどかなしき物はなし、ふるさとを出でし時、人も多きに我を択びて頼むとの一言、そのままに捨てがたく、万事に劣れる子ながらも大事に目をかけここまで来て不慮の災難、丹後どのに顔向けなりがたく、何の罪とがも無き勝太郎をむざむざ目前に於いて死なせたる苦しさ、さりとては、うらめしの世、丹後どのには他の男の子ふたりあれば、歎きのうちにもまぎれる事もありなんに、それがしには勝太郎ひとり。