Classici giapponesi con furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Leggi 旅愁 (りょしゅう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 576.941 caratteri · 1138 schermate
矢代も溜った疲れを揉みほぐしてしまいたいだけではなく、母の東北の郷里もこの際よく見直して置きたかった。
「幸子の病院も見舞ってやりたいですが、良くなっているのなら、まア温泉から帰ってからにしよう。どうも旅の気持ちを抜いて、すっかり身体を洗いたいのですよ。」
矢代はこう云って妹の方の見舞いを後にするのを母に納得させた。母も自分の郷里の温泉を、この際子供が選んでくれたことを喜ぶ風だった。
「あんな所より箱根の方が良さそうなものだけれどね。何が面白いの。あんなところ。」
「それや面白いですよ。西洋らしい所を見るのはもう倦き倦きして、疲れるばかしだからなア。」
矢代は云いながらも、一度前に、母の実家に女中奉公をしていたことのある婦人に、用を頼んだある日のことを思い出した。その婦人の嫁ぎ先の主人が東京に出て大工をしていた関係から、矢代の家の破損の部分を直して貰いたいと頼んでやった手紙の返事が、すぐ来た中に、
「今日子供が自動車に跳ねられて死にましたものですから、悲しくてごたごたいたしております。主人もすぐお伺い出来ますかどうか分りませんが、遅れましても不悪おゆるし下さいませ。