Classici giapponesi con furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Leggi 旅愁 (りょしゅう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 576.941 caratteri · 1138 schermate
矢代は槙三に多く話を向けるようにして、物理学に関する新しい話題を聞き出すように努めるのだった。
槙三が物理学の一番困っている新しい仮説の創造ということについて述べ終ったときに、
「ね、槙さん、お話別だけど、あなた古神道って御存知。」
と千鶴子は横から訊ねた。
「さっきもこの方ね、自分は古神道を信じているんだと仰言るのよ、そのくせ何んのことか仰言らないわ。あなただって知らないでしょう古神道って。」
槙三はただ黙ってにやにや笑っているきりだった。
「いや、それや、これはむずかしくって、僕だってよく分りませんがね。まア、一切のものの対立ということを認めない、日本人本来の非常に平和な希いだと僕は思うんです。ですから、たとえばキリスト教や仏教のように、他の宗教を排斥するという風な偏見は少しもないのですよ。千鶴子さんなんかの中にもこの古神道は、無論流れているものです。つまり、あまり高級すぎて人には分らない点が、どうもいつも損ばかりして来たのですね。また一つはそこが良いのだけれども。」
矢代はそう云いながらも、ふと来る途中雪の中で見た、玉の緒をつらねて飛び去った夢の千鶴子の姿を思い描いた。