Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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りょしゅう

旅愁

横光 利一

Leggi 旅愁 (りょしゅう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 576.941 caratteri · 1138 schermate

Aozora Bunko

しかし、矢代はそのときの東野のこちらを向いた眼が、実に静かな優しい色を泛べているので、男の眼もこんなに美しくなるものかと、暫くは見返しながら、

「いや別に、とり立てたことでもないのですよ。」と云って笑った。

「集合論のお話のようだったが、御幣が集合論と似てるんですって、そいつを一つ伺いたいな。」

と、平尾男爵はまた二人の方へ乗り出す具合をやめなかった。

「ああ、あれか、あれはどうも。」

由吉はもう弟の槙三から少しは聞いてあったものらしく、信用なりかねる話題を、むしろ矢代がさしひかえてくれるようにと思う表情で、ひとりフォークを動かした。

矢代はそうでなくとも、もうこのことに関しては、今は話し出す興味が失せて来ていた。第一話はあまり突飛であったし、知的興味を覚えることではないばかりか、ここに集った人の心をかき乱す作用もしそうで、口もとに出かかろうとする声も、苦しく抑えにかかるのだった。

「僕は集合論なんて、よく知らないんですよ。ただね、いつか越後の山の湯へ行ったときに、由吉さんの弟さんと一緒だったのですが、そのとき一寸、本で読んだ幣帛の切り方を話したことがあるんです。