Classici giapponesi con furigana
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りょしゅう
旅愁
横光 利一
Leggi 旅愁 (りょしゅう) di 横光 利一 (よこみつりいち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 576.941 caratteri · 1138 schermate
といっても良いときだのに、それに彼は、その喜びさえ気苦しい色に変えようとしている自分を感じ、いつもの夜とは花の眺めも違って見えた。
しかし、矢代は、今のような気重さは、そう長くつづくものとは思えなかった。むしろ、ちかぢか機を見て自分の母に千鶴子のことを話し、二人の結婚の許可を得るときに、当然母の承諾を得られるものと一途に思い込んでいる自分の勝手な身構えが、気辛い重さに感じられているのだと思った。もし母が不承知の場合は、必然的に一層母を困らせてゆく予感を与えるのが、父の亡くなった直後であるだけに矢代には辛かった。それも母には千鶴子がカソリックだということだけは、秘め隠していなければならぬ気苦労が今からつき纏って離れなかった。
実は彼は、母には父の納骨をすませた旅さきから手紙で結婚のことを云い出す考えでいたので、妹を一緒に京都へつれて行くこともひかえ、母の傍に残したくもあったのだが、この夜はそんなに旅さきまで策を用うるのが佗しく仰ぐ花明りも眩ゆかった。もう喜びが過ぎてしまった後のようにもの悲しさが脱けなかった。
矢代が家に戻ったとき幸子は留守に来ていた書類を持って二階へ来た。