Classici giapponesi con furigana
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いっすんぼうし
日本の古典童話
楠山 正雄
Leggi 日本の古典童話 (いっすんぼうし) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 24.747 caratteri · 50 schermate
」
「おやおや、それはお気の毒ですね。ではさしあたりこれでも召し上がってはいかがでしょう。」
若者はそういって、みかんを三つとも出してやりました。みんなは大そうよろこんで、さっそくみかんをむいて、病人の女にその汁を吸わせました。すると女はやっと元気がついて、
「まあ、わたしはどうしたというのでしょう。」
といいながら、そこらを見回しました。みんなは水がなくって困っていたところへ、往来の男がみかんをくれたので助かったことを話しますと、女はよろこんで、
「もしこの人がいなかったら、わたしはこの野原の上で死んでしまうところでしたね。」
といって、真っ白な上等な布を三反出して、
「どんなお礼でもして上げたいところだけれど、途中でどうすることもできないから、ほんのおしるしにさし上げます。」
といって、渡しました。
若者はそれをもらって、
「おやおや、みかん三つが布三反になった。」
と、ほくほくしながら布を小わきにかかえて、また歩いて行きました。
四
その明くる日、若者はまた昨日のようにあてもなく歩いて行きました。するとお昼近くなって、向こうから大そうりっぱないい馬に乗った人が、二、三人のお供を連れて、とくいらしくぽかぽかやって来ました。