Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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なかじきり

日本の文学 2 森鴎外(一)

森 鴎外

Leggi 日本の文学 2 森鴎外(一) (なかじきり) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.092 caratteri · 45 schermate

Aozora Bunko

を着て、濃紫の袴をはいたる男、項をかがめて瞬きもせず立ちたり。むかしはここに立つ人おのおの手燭持つ習いなりしが、いま廊下、階段にガス燈用いることとなりて、それはやみぬ。階の上なる広間よりは、古風を存ぜるつり燭台の黄蝋の火遠く光の波をみなぎらせ、数知らぬ勲章、肩じるし、女服の飾りなどを射て、祖先よよの曲画の肖像の間にはさまれたる大鏡に照りかえされたる、いえば尋常なり。

式部官が突く金総ついたる杖、「パルケット」の板に触れてとうとうと鳴りひびけば、天鵝絨ばりの扉一時に音もなくさとあきて、広間のまなかに一条の道おのずから開け、こよい六百人と聞えし客、みなくの字なりに身を曲げ、背の中ほどまでもきりあけてみせたる貴婦人の項、金糸の縫い模様ある軍人の襟、またブロンドの高髻などの間を王族の一行よぎりたもう。真先にはむかしながらの巻毛の大仮髪をかぶりたる舎人二人、ひきつづいて王妃両陛下、ザックセン、マイニンゲンのよつぎの君夫婦、ワイマル、ショオンベルヒの両公子、これにおもなる女官数人したがえり。ザックセン王宮の女官はみにくしという世の噂むなしからず、いずれも顔立ちよからぬに、人の世の春さえはや過ぎたるが多く、なかにはおい皺みて肋一つ一つに数うべき胸を、式なればえも隠さで出だしたるなどを、額越しにうち見るほどに、心待ちせ