Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あべいちぞく
日本の文学 3 森鴎外(二)
Leggi 日本の文学 3 森鴎外(二) (あべいちぞく) di Mori Ōgai (森 鴎外) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.545 caratteri · 140 schermate
それは阿部権兵衛が殉死者遺族の一人として、席順によって妙解院殿の位牌の前に進んだとき、焼香をして退きしなに、脇差の小柄を抜き取って髻を押し切って、位牌の前に供えたことである。この場に詰めていた侍どもも、不意の出来事に驚きあきれて、茫然として見ていたが、権兵衛が何事もないように、自若として五六歩退いたとき、一人の侍がようよう我に返って、「阿部殿、お待ちなされい」と呼びかけながら、追いすがって押し止めた。続いて二三人立ちかかって、権兵衛を別間に連れてはいった。
権兵衛が詰衆に尋ねられて答えたところはこうである。貴殿らはそれがしを乱心者のように思われるであろうが、全くさようなわけではない。父弥一右衛門は一生瑕瑾のない御奉公をいたしたればこそ、故殿様のお許しを得ずに切腹しても、殉死者の列に加えられ、遺族たるそれがしさえ他人にさきだって御位牌に御焼香いたすことが出来たのである。しかしそれがしは不肖にして父同様の御奉公がなりがたいのを、上にもご承知と見えて、知行を割いて弟どもにおつかわしなされた。それがしは故殿様にも御当主にも亡き父にも一族の者どもにも傍輩にも面目がない。