Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate
けれども、彼女は箸も着けようとせず、餉台の向う側に行儀よく坐ったままでいる。そんな近いところから見ていても、ちょうどこんなすがすがしい初夏の宵にふさわしいばらりとした顔であった。匂やかな薄化粧の装いが鮮かで、髪の櫛目が水っぽく電燈の光を反射して輝いている。
女はとうとう並べた物に箸をつけなかった、女中が膳を引いてゆく時、
「姐さん、えらい済んまへんけど苺がおしたら、後で持ってきとくれやす」
自分で注文しておいて、やがて女中が退っていったあとで、女はさっきから黙って考えているような風であったが――もっとも彼女はいつでも、いうべき用のない時は無愛想なくらい口数の少い女であった。自分は、それが好きであった――やがてまた、彼女の癖のように、べちゃべちゃとその理由をいわないで出抜けに、
「あんたはん、私、ちょっと帰ります」と、謎のようなことをいう。
私は思わず胸をはっとさせて、じっと女の顔を見ながら、
「帰りますって、お前、やっと今来たばかりじゃないか。なぜそんなことをいうの。さっきの袖菊へいけば、あそこでは話がしにくい、此家へ行っていてくれと、あんたがいうから、私はここへ来たじゃないか。