Classici giapponesi con furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate
八
この間母親と一緒に来た小村という男が、十日か十五日経ったら会わせましょうと受け合ったので、自分もそれで幾らか安心して、なるべく他のことに気をまぎらすように努めながら、その十日間の早く経つのを待っていた。そして約束の十日が過ぎると、もうそのことばかりが考えられて心が急くので、宿からあまり遠くないところと聞いていた、その小村の家を訪ねて往って、この間母親と一緒に来た時に聴き残した、もっと委しいことをあれこれと訊ねてみた。そして、金を出したのはやっぱり南山城の大河原字童仙房というところの藤村利平という人間であって、その人間が、自分の事務に携わっている室町竹屋町の法律事務所にわざわざ訪ねて来て、親戚関係の藤村の娘のことを依頼していったのである。大河原の童仙房というところにそういう人間があるかどうか、自分は委しいことは知らぬが、事務所の方には四、五年前に他の事件を依頼して来たことがあるので、今度はその縁故で来たのである、という。
私は、それを、この間はじめて聞いた時から幾度となく疑ってみた。そんな親類があって、こんどそれだけの金を出してくれるくらいならば、そもそもあんな卑しい境涯に身を沈めない前に泣きついて行くはずである。