Classici giapponesi con furigana
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うつりが
日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江
近松 秋江
Leggi 日本の文学 8 田山花袋 岩野泡鳴 近松秋江 (うつりが) di 近松 秋江 (ちかまつしゅうこう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 152.306 caratteri · 300 schermate
「お前さっきどうしてあんなに怒ったんだい」
「あなたが、あんまり菊ちゃんのことばかりいうからさ」
その晩はいつにない打ち解けた心持ちになって、私は早く帰った。
加藤の家へも梅干飴を持って帰ってやると、老人に老婆は大悦びで、そこの家でも神棚に総燈明をあげて、大きな長火鉢を置いた座敷が綺麗に取りかたづけられて、まわりが年の暮の晩らしゅう光るように照り映えている。
私とお前と一緒にいた間は、今年の年の暮はと、正月らしい気持ちのしたことはついぞ一度もなかったのに、加藤の家の老人夫婦の物堅い気楽そうな年越しの支度を見て、私は自分の心までが稀らしく正月らしい晴れやかな気持ちになった。
そして翌日の大晦日には日の暮れるのをまちかねてまた清月に出かけた。お宮の来るのを待って一緒に人形町の通りをぞろぞろ見て歩いた。
「わたし扱帯が一つ欲しいの。あなた買ってくれる?」お宮は眩しいばかりに飾った半襟屋の店頭に立ちどまってそこに懸けつらねた細くけを捻りながらいった。
「うむ」と、私は鷹揚にうなずいた。
「じゃ、あの松ちゃんにもこの細くけを一つ買ってやってもよくって」
「うむ」
「何かうまい物を買っていって、食べようじゃないか」