Classici giapponesi con furigana
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たわらとうだ
日本の英雄伝説
楠山 正雄
Leggi 日本の英雄伝説 (たわらとうだ) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.666 caratteri · 84 schermate
」と思って、よけい為朝をたのもしく思いました。するとその中で一人左大臣の頼長があざ笑って、
「ばかなことをいえ。夜討ちなどということは、お前などの仲間の二十騎か三十騎でやるけんか同様の小ぜりあいならば知らぬこと、恐れ多くも天皇と上皇のお争いから、源氏と平家が敵味方に分かれて力くらべをしようという大いくさだ。そんな卑怯な駆け引きはできぬ。やはり夜の明けるのを待って、堂々と勝負を争う外はない。」
といって、せっかくの為朝のはかりごとをとり上げようともしませんでした。
為朝は、おもしろく思いませんでしたけれど、むりに争ってもむだだと思いましたから、そのままおじぎをして退きました。そして心の中では、
「何もしらない公卿のくせによけいな差し出口をするはいいが、今にあべこべに敵から夜討ちをしかけられて、その時にあわててもどうにもなるまい。こんなふうでは、この戦にはとても勝てる見込みはない。まあ、働けるだけ働いて、あとはいさぎよく討ち死にをしよう。」
と思いました。
こう覚悟をきめると、それからはもう為朝はぴったり黙り込んだまま、しずかに敵の寄せてくるのを待っていました。