Classici giapponesi con furigana
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たわらとうだ
日本の英雄伝説
楠山 正雄
Leggi 日本の英雄伝説 (たわらとうだ) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 40.666 caratteri · 84 schermate
さんざん回りをこぎ回りますと、やっと平らな州のようなところがあって、島の中から小さな川がそこに流れ出していました。
為朝はそこから上がって、ずんずん奥へ入って見ますと、一めん、岩でたたんだような土地で、田もなければ畠もありません。ところどころに見なれない草木が生えて、珍しい匂いの花が咲いていました。
いくら歩いても家らしいものも見えませんでしたが、そのうちいつどこから出て来たか、一丈も背の高さのある大男がのそのそと出て来ました。まっくろな体に毛がもじゃもじゃ生えて、頭の髪の毛はまっ赤で、針を植えたようでした。
為朝は不思議に思って、
「この島は何という島だ。」
と大男の一人に聞きますと、
「鬼ガ島といいます。」
とこたえました。
為朝は、いよいよ珍しく思って、
「じゃあお前たちは鬼か。それとも先祖が鬼だったのか。」
とたずねました。
「そうです。わたくしどもは鬼の子孫です。」
「鬼ガ島なら、宝があるだろう。」
「むかしほんとうの鬼だった時分には、かくれみのだの、かくれがさだの、水の上を浮く靴だのというものがあったのですが、今では半分人間になってしまって、そういう宝もいつの間にかなくなってしまいました。