Classici giapponesi con furigana
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せっしょうせき
日本の諸国物語
楠山 正雄
Leggi 日本の諸国物語 (せっしょうせき) di 楠山 正雄 (くすやままさお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 75.040 caratteri · 158 schermate
「じつはゆうべ、いやな夢を見てね。」
といいました。
「それはどんな夢。」
「何でもわたしが野の中を歩いていると、いつの間にか頭の上に草が生えて、背中には雪が積もった。どうしたのかと思って、気持ちが悪いから、雪を払おうとすると、夢が覚めた。いったい何の知らせだろうか。気になってしかたがない。」
といいました。
すると牝鹿は、ふと思いついて、これはちょうどいい折だから、こういう時に牡鹿をおどかして、もうこののち海を渡って淡路へ行くことを、思い止まらせてやろうと考えて、でたらめな夢占をたてました。それは、頭に草が生えたとみたのは、かりゅうどの矢が首に当たる知らせで、背中に雪の積もったのは、殺されて塩漬けにされる知らせだというのです。
「だから今日は淡路へ渡るのは止して、ゆっくりここで遊んでおいでなさい。」
と牝鹿はいいました。
「海を渡ればきっと途中でかりゅうどに射られて、殺されるかも知れません。」
そう聞いて、牡鹿はこわくなりました。どうしようかと思って、とうとうその日は一日ぐずぐず暮らしていましたが、日が暮れかかると、どうしてもがまんができなくなりました。