Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いも

日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二)

佐左木 俊郎

Leggi 日本プロレタリア文学集・11 「文芸戦線」作家集(二) (いも) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 26.241 caratteri · 54 schermate

Aozora Bunko

「今になって畠にする位なら、あそこを売って、何処かいいどこの畠を買いばよかったのだども。」

森山はそう言ったきり黙って了った。森山は泣いているのだった。

四

雪はまだ降り続いていた。最早五六寸も積っているのだった。戸を開けると、粉雪は唐箕の口から吹飛ばされる稲埃のように、併しゆるやかに、灯縞の中を斜めに土間へ降り込んだ。

「何時まで降る気なんだかな? この雪は!」

捨吉はそう言って雪の中へ飛出して行った。そして水を汲んで来て、直ぐに竈の下を焚付けた。娘のお房が立って行くので餅を搗こうと云うのだった。誰もその晩は碌に眠れなかった。皆んな一番鶏で起きた。子供達もそれを嗅ぎつけて、どんなに起すまいとしても、寝ては居なかった。

「お母あ! 銭けろ。銭けろってばな。姉さ餞別しんのだからや。お母あ!」

六つになる弟の亀吉が、何処からか餞別と言う言葉を覚えて来て、斯う強請り出した。

「おっ! 亀は、姉さ餞別やって、お土産を貰うべと思って。亀! 俺の銭けんべか?」

兄の鶴治が拳固を突出した。

「兄つぁんの銭は、酒呑んだ銭だから嫌んだ。」

「ううんだ。そら、見ろ! 銀貨だから。