Classici giapponesi con furigana
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あゆむ
日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)
戸田 豊子
Leggi 日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三) (あゆむ) di 戸田 豊子 (とだとよこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.183 caratteri · 44 schermate
室を明るくすると、彼が頸をあげて、片方の肩だけレーンを滑らしたとも子を見上げた。
「あなたは観念的なことについては相当理解力を持ってるけど、自分の事となるとさっぱり感情的で、唯の駄々っ子にすぎなくなるね」
なあんだ、そんなことか、という風な顔をしてとも子は冷淡にぶっきら棒に頷いた。すぐ寝るつもりだったのを止して彼に背中を向けた。
「さっきから煩さくて眠れんじゃないか。窓をあけたり、マッチを放り出したり、コーヒー茶椀を蹴っとばすやら、子供だよ、妥協するならしようよ、合理的に」
椅子に倚りかかり煩さい髪毛を掻き上げた、こうして気もなげに肘をつく自分の後姿が無限に頑なに見えることを望んだ。だのに、一つ年下の彼が「子供だね――」と言ったのがふいに可笑しくなり、投げ出した裸の脛が少し寒いとも思った、一本のタバコを喫みつくさないうちに風邪をひいちまい相な気がしだした。そのうえ、赤いポスターをはった壁へぷう、ぷう、煙りを吹きかける自分のポーズが頽廃的で、嫌味な、下らないものに思われて来た。
目覚めたとき、とも子は一人であった。白い壁が眩しく、そこにはもうレンコートが掛っていなかった。