Classici giapponesi con furigana
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あゆむ
日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三)
戸田 豊子
Leggi 日本プロレタリア文学集・23 婦人作家集(三) (あゆむ) di 戸田 豊子 (とだとよこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.183 caratteri · 44 schermate
「そんなに現金じゃないわ、そんな女じゃないわ」
と言って、坐ってしまった。
「この前、皆で会ったのは何時だっけ、あの一週間許り前からなんだ」
「ほんとに酷い人ね」寝床へ腹這ってからとも子は子供のように眼を寄せてなじった。
「豚だ。あんな下らない処へ行くなんて」
「あんな処へ行ったら何故悪い?」
「まあ」とも子はいよいよ眼を寄せて呆れ返った、「それが訳らないの」
「じゃ兄さんはあんな処へ行かないか――」
「兄は別よ、兄は労働者だもの、それにあの年になってまだ結婚もしないんでしょう、その意味で許せるけど、知識分子はそうはゆかないわ。観念的にも実践的にも、資本主義的な腐敗から足を抜かなくちゃ不可ないし、抜きうるんだもの――」
「そうさ。だが僕のは異うんだ。あんな処へ行ったんなら、こんなことにはならないさ、……牧井そめ子が……先月、家を出た時、実は僕の処へすぐやって来たんだ、余り大きくもないバスケットを一つ提げて、いよいよ亭主と別れました、って急に居所にも困る様子だったから、あなたの処を教えてやったんだ、ところが――」
「もう解ったわ――私の処へ来たら留守だったてんでしょう、階下の小母さんが何べん頼んでも上げてやらなかったてんでしょう、知ってるわ、そのことなら」