Classici giapponesi con furigana
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あねがわのかっせん
日本合戦譚
菊池 寛
Leggi 日本合戦譚 (あねがわのかっせん) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 154.771 caratteri · 313 schermate
国郡騒動して人民困窮するけれども、天帝は二八の天章をこの地に下し、宗門の威を以って救うであろうとあるが、今年は正にその時に当る」と流言を放った。丁度この夏は干魃で烈日雲を照し、島原では深江村を始め時ならぬ桜が開いたりしたから、人民は容易にこれらの流言を信ずるに至った。そこで松右衛門は好次と謀って、四郎をもって天帝降す処の天章と為し、大矢野島宮津に道場を開き法を説いた。来り会する老若男女は、威風傍を払い、諄々として説法する美少年の風姿に、まずその眼を瞠ったに相違ない。その上彼等が尊敬し来った長老達が、四郎を礼拝する有様を見ては、驚異の念は次第に絶大の尊崇に変った。更に四郎が不思議の神通力を現すと云う噂は、門徒の信心を強め、新たに宗門に投ずる者を次第に増さしめた。四郎天を仰いで念ずると鳩が飛んで来て四郎の掌上に卵を産み、卵の中から天主の画像と聖書を出したとか、一人の狂女が来ったのに四郎肯くと忽ちに正気に還ったとか、またある時には、道場に来て四郎を罵る者があったが、其場に唖となり躄となった、などと云う。こうして宗教的熱情は高まり物情次第に騒然となって来た。