Classici giapponesi con furigana
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にほんふどうき
日本婦道記
山本 周五郎
Leggi 日本婦道記 (にほんふどうき) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.885 caratteri · 27 schermate
――覚え御座なく、なに者がさように申しくるめ候やと、不審に存じそろ、さりながら母上のお手助けにもなり、気だてもよしとの仰せなれば、よくよく御注意のうえお側に置かれ候ても仔細これあるまじく、わたくし帰国のうえ篤と吟味つかまつるべくそろ、尤も右はその者には堅く御内密に、……あきつはそこまで読むのが精いっぱいだった、あとの文字はもう見えなくなり、膝の手にからだを支えているのがやっとの思いだった。
「きまりの悪いのをわざと強がっているのがよく出ているでしょう」
より女は手紙を巻きながらそう云った。
「……すなおに知っていると云えないのですね、そのくせ側に置けと書いたり、知らないということはあなたに内証だなどと虫のよいことを云って、これで本心がよくわかるではないの、わたしにはよろこんでいるあれの顔が見えるようですよ」
そのときあきつはどんなに自分とたたかったことだろう、大三郎の文ははっきりとかの女の罪を指摘している、――もう耐えられない、みんな申上げてしまおう、そう思って口まで言葉が出た、さあと心をきめて見あげさえしたが、より女の信じきっている気持と、あきつを嫁と呼ぶことのいかにもうれしげな日頃を考え、それはむざんだ、という気がして舌が硬ばり、喉までつきあげてくる言葉がどうしても口に出せなかった。