Classici giapponesi con furigana
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にちぼつのげんえい
日没の幻影
小川 未明
Leggi 日没の幻影 (にちぼつのげんえい) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6424 caratteri · 14 schermate
そのうち、或る家の寡婦と恋に陥った。なんでもこの歌うたいのうたって歩いた歌を覚えている。(少し考えて)なんでも……或る古物商の丁稚は色白だ。古い、紅と青に色彩った瓶を落して破って泣いている。というようなあどけない歌であった。そのうちこの歌うたいの姿が見えなくなった。
第五の見慣れぬ旅人 その歌うたいに相違ないか。
第七の見慣れぬ旅人 保証は出来ぬが、その歌うたいによく似ている。
第六の見慣れぬ旅人 毒でも飲んで死んだのだろうか。
第五の見慣れぬ旅人 頓死したものとも思える。
第四の見慣れぬ旅人 よくあることだ。
第六の見慣れぬ旅人 また、今夜も夢見がよくない。
第五の見慣れぬ旅人 夜が、長くなった。
第七の見慣れぬ旅人 この旅人を葬ってやりたいものだ。
(旅人の一群は倒れたる歌うたいを取り巻いて暫時思いに沈む。この時、日の沈んだと反対の地平線から、赤い月が上った。その色は地震があるか、風が出るか、悪いことのある前兆と見えて、頭痛のするように悩ましげな赤い不安な色であった。)
第五の見慣れぬ旅人 あの、月の色を見い。
第四、第五の見慣れぬ旅人 あの、月の色は……。
(一同月の方を振向いて不安の思いに眉を顰む……沈黙……。