Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.172 caratteri · 36 schermate
夏の朝、早くから行くので、昌綱さん(先生の弟御)が大急ぎで座敷を掃いて、踏みつぎをして、上の方の本箱から、納めてある和綴本の大判のを出して貸してくだされた。源氏や万葉のお講義、その他の物語のこともあった。先生の奥様が、母の妹の連合いの上官で、官舎であったのかどうか、おなじ猿楽町の、大きな門のある構内に、お住居があったのと、藤島さんの一粒だねの令嬢をおかたづけになったほどなのだからと、先生については、よほどの信用があったから、母も、国文学を学びに通うことは見て見ぬふりをしてくれるようになりはしたが、許可されたのではないから、足りても足りなくってもお小遣いのうちから小額の月謝をもって行ったのだが、気まりわるくも思わなかった。朝の仕事をすますと御飯を食べている暇がなかった。神田小川町までではあるが、歩いて通わなければならない。大雨が降ると、帰りには足駄をぬいで跣足で歩いてくるので、漸く、近所の眼がうるさくなりだした。そんな日には、大問屋の店の者は、欠伸をしているのもあるから、あたしの育ちを、赤ん坊の時から知っている、旦那たちまでが気にしだした。
「先生ンとこのお嬢さん、どちらへおやりになっているのかと、申す者もございます」