Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

それが元旦の夕方ちかくなると、ああ、もう日が暮れるのにと、どうしていいかわからない物足りなさが憂鬱をもってくる。それにも似た――事はまるで違うが、日々にぶつかる余儀ないさびしさだった。

ある日、あたしは母の父の顔を穴のあくほど凝と見た。この老爺さんは寺院で見る大木魚のような顔をしていた。木魚は小さいのは可愛らしいものであるが、大きなのが茵を敷いて座っていると、かなりガクガクとした平たい四角である。老爺さんの顔も大きな四角なお出額で顎も張っている。そのくせ鼻は丸く安座をかいていて小さい目は好人物というより、滑稽味のある剥身に似た、これもけんそんな眼だ。白い髭が鼻の下にガサガサと生えて、十二月の野原の薄のような頭髪が、デコボコな禿た頭にヒョロヒョロしている。悪口すれば、侏儒ともいえる、ずんぐりと低い醜い人だ。

その前にも逢ったかも知れないが、アンポンタンが意識した初対面の印象だった。彼の身辺は石炭酸の香がプンプンした。

「ヒョウソになる性だから、これは働きながらでは無理だ。」

そういって女中を――台所働きの女中をおさんどんと呼ぶころだった。そのおさんが昨日足の裏を咎めたのを気にしないでいたらば、熱が出て腫れあがったのを診察して、養生にかえすようにと言った。