Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

お其が私を紹介した買物のはじめは、角の荒物店だった。足許の箒だの、頭の上からさがって来ているものを掻きわけて、一間たらずの土間の隅につれてゆくと、並んでいる箱の硝子蓋をとって中の駄菓子をとれと教えた。当ものをさせて、水絵――濡らしてはると、西洋画風の蝶や花が、刺青のように腕や手の甲につくのを買わせた。で、彼女は一生懸命にお銭の必用と、物品購買のことを説ききかせて、こういう細長い、まん中に穴のあいているのが天保銭で、それに丸いので穴のあいてるのを一つつけると、赤く光った一銭銅貨とおんなじだと、繰かえしていった。でも、あたしにはあんまり必要がなかった。それよりも、お其の紹介で友達になった子たちが、自分の家の裏庭でとった、蝸牛を焼いてたべさせたりするのを、気味がわるくてもよろこんだ。

この子供仲間は、男の子も女の子もみんな顔色がわるかった。どの子も大きな眼をして痩せていた。小僧さんかお附きの女中がいるので、それらの眼をしのんで、こっそり集るのを、どんなに楽しみにしていたか知れない。だから裏から裏と歩いた。村田――有名な化粧品問屋――の裏を歩くと、鬢附け油を練る香いで臭く、そこにいる蝸牛もくさいと言った。