Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate
でしまったのだった。藤木家の寺院は、浅草菊屋橋の畔にあって、堂々とした、そのくせ閑雅な、広い庫裏をもち、藪をもち、かなり墓地も手広かった。昔はもっと広大かったのであろうと思わせたのは、藤木氏一門のどれも美事な見上げるような墓石が、両側に五十余基も正然と、間隔をもって立ちならんでいたのでもわかる。震災後の市区改正で、いまでは電車の走る区域になってしまっているかも知れない。
「よくあの墓石を売らなかったな。」
と誰かいうと、このお旗本は、杯口を下の膳の上において、痩身の男が、猫のように丸めた背中をくねらし、木乃伊みたいに黒い長い顔から、抓みよせた小さな眼を光らせて、
「やったさ、お前さん。」
まあお聴きといったふうに、招き猫の手つきをする。
「大いところは目につくから――ヘッ、鰻だと思ってるんだね、小串のところをやったのでね。性質(石の)のいいやつばかりお好みと来たのさ。そうさ、姐さんおかわりだ、ヘイ宜しゅうってんで、なんしたんだが、あんまり大きすぎたのはいけないね、眼にたつんで、客の方が二の足でね、なにせ、だいぶお立派な方々でございまして、ヘッて、平伏っちまやがるんだから。