Classici giapponesi con furigana
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きゅうぶんにほんばし
旧聞日本橋
長谷川 時雨
Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate
「とても駄目です、僕は軍艦でも、ものにならない方の、その中の一番しまいです。」
「まあ、やって見な、おれが対手になってやろう。」
父が少尉との最初の盤にむきあってすぐ負けた。若い軍人は言った。
「お父さん負けてくだすったんです、そんなはずはありません。」
「そりゃそうだろうとも、さあお出なさい、こんどは僕だ。」
藤木宗匠が向った。父は変な顔をして黙っていた。勿論チンコッきり宗匠もすぐ負けた。
「妙だね、こりゃおつだよ、以心伝心、若いものに華をもたせようとするのかな。湯川氏はそうはいかないぜ。」
「いや、拙者はどうも。」
木魚のおじいさんは目をクシャクシャとしばたたいて、蟇のようにゆったりしている。だが、結局はやっぱり負けた。若い少尉はころがって笑った。
「僕より拙いものがあるなんて――これじゃ碁じゃない……」
「碁じゃないって? 碁じゃない、碁じゃない、こちゃゴジャゴジャだ。」
藤木さんも黄色い長い歯を出して笑った。
しかし、そうしたのんきな生活――芸妓屋おとっさんの成功も、藤木さんみずから努力した運ではなかった。彼の生涯に恵まれた幸福は、服従心の強い、優しい妻と娘とをもった事だった。