Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

あんぽんたんがポカンとしていると、近所の女たちはいった。

「いいわねえ、あなたのとこ、役者がくるのねえ。」

私は返事に困った。その通辞さんが、廿万円の火災保険の最初の詐欺をしたのだ。その時分日本にはまだ保険事業はなかった。外国との契約にしても早い方なのであろう。

この事件も、どんな風にまたどう繋争したかということが知れたら面白くもあり、一つの記録ともなるであろうし、清水という人の性格もしっていたら書きたいが、子供心にはそうたいした事件であろうと思うどころか、覚えていたのが不思議なほどの、かすかな聞きかじりだ。老母にきいても、ぼんやりと、そんなこともあったっけというだけにしか覚えていない。

ある朝、お父さんが新聞に眼を通していると、横浜山手の、ある商館番頭の新築の家が焼けたと出ていた。それを見ると、父は「ああ、やったな。」と叫んだと、老母は言った。

その家には外国の火災保険がついていたのだ――

家財はその前に運び出してある。細君は東京によこし、自分とコックだけだったのだ。だが、彼は服罪しない。獄にもいれられた。だが、保険金は手にはいったのだ。商館では腕ききな番頭なので彼の下獄に困らされて、罪にしたくないといったのだとか。