Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

「おかみさんがいるのに、なぜ、いわなかったってたぜ。」

といって、カラカラ笑った――

いまこの人は老女役になって、生れ土地の関西へ帰っている。

久松町の千歳座が焼けて、明治座が建つと、あの辺は一体に華やかになり、景気だった。芝居小屋がやけて芝居小屋がたつのに、そんなかわりがあるかといいたいほど代った。明治座前に竈河岸へかけて橋がかかった。川を離れてその橋じりへまで、芝居茶屋が飛んで建ったほどだ。明治座は橋にむかった角で、芝居茶屋は右手に並んでやまと、はりまやと五、六軒、通りをへだてた横に日野屋さぬきや六、七軒、楽屋口うらに中村屋が一軒、みんな大間口の素晴しい店だった。茶屋は揃って、二階に役者紋ぢらしの幕を張り、提灯をさげ、店前には、贔屓から役者へ贈物の台をならべた。劇場の表飾りもまけずに趣好をこらし、庵看板をならべ、アーク燈を橋のたもとに点けたので、日本橋区内には、今までになかった色彩をそえたのだった。それが人気にあった。しかも中洲は開けたばかりですぐ近く、前の川の下である。橋をわたれば葭町の花柳場があり、いんしんな人形町通りがあり、金のうなる問屋町にとりまかれて、うしろには柳橋がひかえている。