Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

)。左団次の今日あるを少年期の時誰がいいあてたろう、自分でも少々悲観していたのをしっている。舞台へ出るときまりわるがって、うつむいて、モヅモヅとものを言う。まっすぐに述べてしまうとまっすぐにひっこんでゆく――見物は気の毒そうな顔をする。お父さんが働きてで、人気ものだけに、若い伜の人気のないのが、一層はかなげに思われたのだった。

「銀行家にしようと思うのだが――」

と、あの舞台では睨みのきく眼が、慈眼というように柔和になって、楽屋では、これも大町人か、それこそ、そのころの、あまりこすくない銀行頭取の面影をもったお父さん左団次がゆるやかに話す――

ぼたんが小米になった。おしょさんのうちへあそびに来た。いつも楽屋や舞台で、知りきった顔なのに、この少年は背広を着てきて、キチンと座っている。一言も口をきかない。廻りのものやおしょさん夫婦は種々骨を折ってしゃべるが、かんじんの少年客はムヅとしている。そのくせ帰ろうともいわない。

そこでアンポンタン、大成した彼の舞台を見、舞台の悪党ぶりを見、息をひいて、白い眼をむいて、顎でしゃくった太々しさを見ると、ウフッという笑いが、表面へ出ずお腹の底の方で笑う。