Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きゅうぶんにほんばし

旧聞日本橋

長谷川 時雨

Leggi 旧聞日本橋 (きゅうぶんにほんばし) di 長谷川 時雨 (はせがわしぐれ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 158.045 caratteri · 322 schermate

Aozora Bunko

父親に早く別れなければ、祖父もそんな辛棒が出来たかどうか、祖父の母も手離しはしなかったであろう。彼女はそのまま、九ツで江戸へよこした息子に逢わないで死んだのだ。その女は、あきらめきった悲しい手紙を息子へよこしている。

残暑つよくおはし候へども、いよいよ御無事にお勤めなされ候や嬉しくさつしまゐらせ候。私も五月末つかたより病気にて、大きにこまり入申候、なれども、二、三日づつはよひ日もあり、またまたあしきこともおほく御座候へども、当月に相成り、いつかう少々もたへまなく打ふし居申候。命の限りはわかり不申候へども、まづ今の病気の様子にては、あまり長いきも出来不申と心得、もはや、ていはつ(剃髪)いたし、なむあみだ仏のみ心がけふして居申候。しかしながら、このたびは栄吉が至つてていねいに世話しくれ候ゆへ、何も不自由もなし、誠に嬉しく仕合に存候。

こんな手紙を見た、年期中の親孝行な忰はどんな心持ちであったろう。そうした習慣が、祖父を辛棒つよい、模範的な町人にしてしまったのであろう。祖父の母は歌人で、千町といったというのだが、千町とは聴きあやまりであったのか、千蔭の門人にその名はないという。